2005年11月28日 (月)

奥山の名残りの紅葉

阿武隈山行で足腰の錆落しができたようなので、昨年来の宿題を片付けようと大月の奥、桑西の山に行きました。

 

目的は雁ガ腹摺山、吹切尾根の下半部のトレースです。

 

この山は、以前通用していた、500円札裏面の富士山の原画撮影地として知られています。
吹切尾根はその頂上から南に派生して、延々起伏を繰り返し、JR中央線に面した梅久保山まで延びている長大な尾根です。

 

登山道もなく案内書にも紹介されていないこんな山は、山菜取りや山仕事の地元の人達か、百名山などのブランド系の山岳に背を向け、道のない藪山を歩きたがる物好きで臍の曲がった山屋が、時たま来るだけ。
そのお蔭で、静かな山歩きができ、大自然との交信が深まります。

 

 

 

朝から昼の半ばまで、山に住む獣の仲間に加わったような気分で獣道を追い、藪を押し分けて歩き続けた末に辿り着いたこの日最後の山の頂は、意外に広く、平らな別天地でした。

 

Momiji_at_Daimaru

 

 

広場の周りの樹木があらかた葉を落とし、もはやほとんど冬景色になっている中で、楓の大木が一本だけ、真紅の枝を広げていました。

 

この山行の詳しい記録がウエブサイト にあります。

2005年11月22日 (火)

阿武隈山地の紅葉

ほったらかしにしているこのブログ、久し振りの書き込みです。

 

今年は紅葉が飛び切り綺麗だと言われていたのに、さまざまな "下界のお付き合い" に忙殺されているうちに、山の紅葉の季節が通り過ぎてしまいました。
その上、出先で貰った風邪に居座られて、長い間山にはご無沙汰。

 

スッカリ錆付いた足腰を、阿武隈の小さな山に登って解きほぐそうと考え、郡山の東にある蓬田岳と高柴山に行ってみました。

 

山は大体思い通りに歩け、足腰復活の目処は立ちましたが、高柴山の下山路で紅葉の美景に接し、目の保養までできたのは思い掛けない余禄でした。

 

寒波の流入で曇っていてもこの程度ですから、晴れていたらいかほど綺麗だったか。

 

KadosawaMomiji

 

 

この山行の詳しい記録がウエブサイトに出ています。

2005年9月 2日 (金)

森と湿原と池塘-北奥羽の山々

夏山の賑わいが終わる時期を選んで北奥羽への山旅をしました。

 

本州北端部の三県をグルリ。
5泊6日でひと回りしながら、八甲田、岩木山、白神岳と南八幡平を登り歩こうという計画でした。

 

viewonesea1

 

 

 

 

日程の前半は台風11号の影響を受け、思うように歩けない部分もありましたが、後半は尻上がりに天気がよくなり、白神岳の頂稜からは上のような山と海の展望を楽しみました。

 

tosichimtiwate1

 

 

最終日は、藤七温泉から松川温泉へ。
北の山の出湯をつなぐミニ縦走となりました。

 

最高の天気に恵まれ、岩手山、秋田駒ヶ岳、森吉山など、北国の名峰を眺めながらの稜線逍遥でした。

 

人気のない山中にあった池塘が印象的でした。

Isinuma

 

 

どの山も、草原や湿原はすでに秋の実りの季節になっていましたが、
白神岳の頂稜ではアキノキリンソウ、

 

Kirinso1

 

 

南八幡平の畚岳付近ではチシマギキョウが咲いていました。

 

Chishimagikyo1

 

詳しい山行記録がウエブサイトにあります。

 

2005年8月 9日 (火)

花見は続く-南八ッ、権現岳から天女山へ

夏山シーズンの真っ盛りです。
春以来のお花見シリーズをひと区切り、少しは山っぽいところをと行き先選びをしました。

 

"南" の厳しい所へ行く根性は最早なし。
"シーズン中の北" はやたら人が多いのと、俗っぽいのがイヤだ。
"中央" も悪くないが藪ルート以外はあらかた歩いてしまって新味がない。
東北には今年もまた行きたいが、お盆が過ぎて少し寂しくなった時期が良い。

 

と言う訳で、昨年来の "歩き損ね" になっている南八ッ、権現岳から三ッ頭の稜線トレースに行くことにしました。
みなアルプスに行ってしまうから意外に空いているのではないかと言う "読み" です。

 

 

 

akaamida

 

 

8月4日の夜、青年小屋に泊まって歩きましたが、空き具合と天気の読みはほぼ的中。
大きな小屋に泊まったのは30人足らず。
時差出勤もしたため、静かな山歩きになりました。
上は権現岳尖峰からの展望です。

 

花もいろいろ咲いていて綺麗でした。
特に、ギボシ-権現岳-三ッ頭の稜線は咲いている花の種類が多かったように感じました。

 

下はその一例。
権現岳の下りの岩陰に咲いていたチシマギキョウです。

 

Chisimagikyou

 

 

夏の尾根歩きは、詰まるところ、景色見と花見の山歩きだと思いました。

 

この山行の詳細な記録がウエブサイトに出ています。

2005年7月28日 (木)

今年は外れ年?櫛形山のアヤメ

  甲府の西にある南アルプス前衛の山: 櫛形山は、早川谷の向かい側に立ち並ぶ白根三山の偉観もさることながら、"花の百名山" の著者、田中澄江の記念碑がある花の名山で、頂稜付近のアヤメの大群落は日本一と言われています。

 

 

 

  数年前の残雪期に登って以来、是非ともこの花の盛期に再訪したいと願っていました。
今年は、五月に大峰でツツジとシャクナゲの豪華な花を見て以来、花見志向になっているのでこの機会に、この数年の願いを果たそうと思いました。

 

IMG_0066

 

 

  やや時機に遅れたせいもあったのでしょうが、アヤメの花、それ自体はソコソコ咲いてはいたものの、今年の気候のせいで、ほかの草木の成長が早く、その茂みに埋もれてしまっていたのが残念でした。
最大群落のあるアヤメ平のもっともきれいな所でも上の写真程度でした。

 

Hokorakoya  この山は、"櫛形" の名の通り、昔風のツゲの櫛の形をした大きな山です。
高い所まで舗装車道が通じているので、車を使えば日帰りも可能ですが、頂上直下の祠頭にあるほこら小屋に泊まる事にしました。

 

  4年前に建てなおされた総桧造りの小屋で、すぐ横手には手の切れるような清冽な水が流れています。

 

  この小屋で一夜を過ごしてみたいと言うのもかねてよりの願いで、アヤメの花見と並ぶ今回の山行の重要な目的でした。

山中にヒッソリと立つ小屋にはほかに誰も来ず、深い静寂に包まれて熟睡しました。

 

 

 

この山行の詳しい記録が本家ウエブサイトにあります。

2005年7月14日 (木)

花盛りだった南会津、駒止湿原

雨続きで家に篭っていると足腰が錆付いてしまいます。
筋肉と関節に活を入れるため、"七夕の雨中山行" に出ることにしました。

 

行き先に選んだのは会津田島の近くの山の上にある駒止湿原です。
山と言うほどの所ではありませんが、木道が整備されているので、靴を泥んこにする心配もなく、傘を差してノンビリ歩けそうです。
雨模様のウイークデイだったら来る人も少なく、静かなのではないかと考えました。

 

幸運な事に、つかの間の梅雨の晴れ間に恵まれ、満開のニッコウキスゲとワタスゲと、この湿原が一番美しくなる時期を引き当てたようで、半日の間、美景を楽しみました。

 

Komado_situgenS

 

足許の木道脇を良く見ると、いろいろな小さい花が咲いていましたが、中でもサワランの花の色が綺麗でした。

 

Sawaran3

 

 

細い水流に沿ってヒオウギアヤメの花の行列ができているところもありました。

 

Hiougiayame1

 

大谷地、白樺谷地、水無谷地の順に見て歩き、昭和村大芦からの林道の末端にある裏口を確認して戻る途中から雨になりましたが、土砂降りになる寸前に入口の茶屋に帰り着けたのは幸いでした。

 

冷しトマトをかじりながら雨宿りをしていたら小降りになってきたので、駒止峠を越して西側の車道を下り、南郷村の東バス停に下山。
内川で檜枝岐からのバスに乗り継いで会津高原駅から帰りました。

 

久しぶりの南会津でしたが、自然も人も優しく、やっぱり良い所だなぁ、と思いました。

 

湿原の花の写真を含む詳しい山行記録を、ウエブサイトに出しました。

 

 

 

2005年6月19日 (日)

前日光、行者道の展望とツツジ

    大峰の奥駈道をあらかた歩き終えてみたら、もっと近くの日光の行者道に、まだ歩いていない部分があることが気に掛かるようになりました。
中禅寺湖南の茶ノ木平から細尾峠、薬師岳、地蔵岳を経てハガタテ平、古峰ヶ原に至る、いわゆる禅頂行者道です。

 

  台風が接近したり入梅宣言が出たりだったので駄目モトの積りで6月11日の昼時に出かけ、下今市駅付近の安ホテルに泊まったら翌朝は見事梅雨の晴れ間になってました。

春蝉が大合唱している茶ノ木平の肩に登り着くあたりでは、奥日光方面への展望を楽しみました。
Chuzenji_Pan2

 

 

 

大峰山行から3週間近く経っているのですが、緯度と高度の差による花期の違いのお蔭で、今回も豪華な山ツツジの花見ができました。
Siroyasio

 


茶ノ木平付近はシロヤシオが多数、細尾峠以南、特に地蔵岳頂上付近ではレンゲツツジが並木のようになっていました。

 

Rengetutuji

 


落ち着いた空模様と今年一番のツツジとのお蔭で、体調は芳しくなかった割に楽しい山歩きができました。

 

この山行の詳しい記録をウエブサイトに掲出しました。

 

 

2005年5月25日 (水)

大峰南奥駈道の花の饗宴

昨年来の宿題だった大峰南奥駈道北半分のトレースに出かけました。

 

 

 

日程は5月19日から24日までの六日間。
行きと帰りにそれぞれ一日ずつ費やすにしても、太古ノ辻から行仙岳、笠捨山を経て貝吹金剛までをカバーするのに4日も掛ける訳で、まさに歳相応のカタツムリ縦走プランでしたが、幸運にも山躑躅と石楠花の最盛期に当り、かつてない豪勢な花見山行ができました。

 

以下、数駒のシーンをお見せして速報とします。

 

前鬼から二ツ石への急登を何とか乗り切った所で、道端にザックを下ろした時、ふと気配を感じたので頭上を見上げたら石楠花の群落が満開になっていました。
ShakunageFutatuishi

 

 

"これより南奥駈" と記した標柱の立つ太古ノ辻から深仙ノ宿の泊まり場に向うと疎林のそこかしこでアケボノツツジが花盛りになっていました。
Tutuji_Near_Sinsen

 

 

心配したほどバテるような事もなく深仙ノ宿の小屋にたどり着けたのでホッとしました。
とりあえず "水採り" をしたあと、釈迦ヶ岳に登りました。
頂上に立つ釈迦如来像との、一年ぶりの再会を果たすためです。

 

小屋に戻る途中、谷向かいに見える大日岳が新緑とツツジの紅を織り交ぜた衣を纏っていました。
Dainichidake_Tutuji

 

 

ツツジの花の大部分は紅紫色でしたが、涅槃岳付近では清楚な白花のシロヤシオも見られました。
Shirotutuji

 

 

剣光門までひと下りの所に立つシロヤシオは、6-7メートルに達する大木でした。
NehanDake

 

 

証誠無漏岳と阿須迦利岳の中間には石楠花のトンネルがありました。
大峰は、樹木の旺盛な生命力が充ち溢れている所ですが、石楠花も4、5メートルに達する大木がザラで、それらが枝一杯に色鮮やかな花を着けている姿は、とても豪勢なものでした。
ShakunageTunnel

 

 

山中三日目は、曇り時々霧雨の愚図ついた天気でした。
原生林の新緑は、雨に濡れて一段と瑞々しく、その中で咲いていたアカヤシオツツジは、ドキッとするほど艶かしい雰囲気を漂わせていました。
Tutuji_Kurikara

 

 

 

 

下は奥駈道トレースもあとひと息、と言う所にある槍ヶ岳です。
尖がってはいるがもうほとんど里山だから大したこともあるまいと取り付いたのは大間違いでした。
とんでもなく急峻な鎖場の登りが連続し、ヒィヒィ言いながら登り続ける事となりました。
やっと乗り越えたと思ったら、狭小な鞍部があってまたすぐに地蔵岳の険路が始まりました。
ルート整備はシッカリしていて特段危険と言うことはないのですが、重荷を背負った老体には過酷な試練で、腕の疲れ具合は、以前、雪の両神山八丁峠ルートを縦走した時の事を思い出させる程でした。
Yarigatake

 

 

 

 

地形的に落武者の隠れ里の典型ではないかと思われる、山深い集落の上葛川にある民宿 "うらしま" (!?)で最後の夜を過ごした翌日、瀞八丁に下り、観光船で志古に出て、新宮経由、帰宅しましたが、この山行の結果、吉野から熊野の七越峰、本宮大社までの大峰奥駈道のほぼ全長のトレースができたことになります。

 

栂海新道、飯豊縦走のあとに似た快い疲労感と充実感が得られました。

 

なお、詳細記録がウエブサイトに掲出されています。

2005年5月 6日 (金)

東西、ふたつの釈迦ヶ岳

Shakajizou3

 

上は、御坂の黒岳から尾根伝いをしてきて登りあげた黒駒の釈迦ヶ岳頂上で出遭った可愛いお地蔵さん達です。
険阻な岩場もある鋭鋒ですが頂上の眺め(富士と甲府盆地)がとても良い山です。
林道が整備されたお蔭で短時間で楽に登れるようになったため、登る人が最近急増しているようです。

登山口になっている日向坂峠から頂上目指して進んで行くと、始め穏やかだった尾根が次第に痩せて露岩が増え、最後には両手も動員して潅木岩場の急登を乗り切るとようやく頂上に到達するのですが、その登行路の様相変化が大峰の釈迦ヶ岳と非常に良く似ていることに気がつきました。

 

OomineShakagatake

 

 

あらためて1年前に撮った大峰釈迦ヶ岳(上)と10年ほど前に撮った黒駒釈迦ヶ岳(下)の写真を比べてみました。
尾根が描いているスカイラインの輪郭が非常に良く似ており、このことが双方の登高路の様相と雰囲気の共通点を生み出している要因かと思いました。

 

ShakafromSinmichiToge

 

 

岩場を纏った鋭鋒で、まわりの眺めが良いこと、大峰は深山小屋の "香精水"、黒駒は桧峯神社の "薬王水"、という名水が得られることも共通です。

大峰の頂上には厳かな釈迦如来銅像(下)が立っている所が違っていますが、銅像も地蔵像も後世の人が担ぎ上げたものです。

 

Shakanyorai

 

 

 

 

昔、役の行者は空を飛んでひとつの山から別の山へ移動していたのだと言い伝えられているそうですが、新幹線も高速道もない古代に、紀伊半島のど真ん中と甲斐の国と、遠く離れた場所にあるふたつの山の共通点に気付き、同じ名を付けた修験道の行者(?)がいたわけで、今考えてみても、まるでスーパーマンのような、凄い行動力だと、畏敬の念を抱かずには居られません。

そう言えば、鈴鹿の釈迦ヶ岳も急登から頂上に上がると広大な展望が得られる鋭鋒でした。

 

 

 

この山行の記録は "本家ウエブサイト" に出ています。

 

2005年5月 2日 (月)

早春の山登りは季節の旅

Kaminariiwa_Pan2

 

十何年振りで大菩薩に登りました。
牛の寝通りの大ダワから松姫峠の間が未踏になっていたので今のうちにトレースしておこうと思ったからです。

 

塩山付近のフルーツの里は花盛りでしたが歩き出しの上日川峠から上は寒波の冷風で冬のような寒さ。
稜線の登山道も日影の部分はまだ残雪に覆われ、木の枝も裸のままでした。

 

ただ、冷たい風にも恩恵があり、大気が澄んで遠望が利くようになるお蔭で、広大な山岳展望を楽しめます。

 

 

 

上の合成パノラマ、サムネイルなのでクリックすると拡大します。
寒気でできた薄雲のせいで分かり難いかも知れませんが、上日川湖の先の方の遠くの空に富士山が浮かんでいるのです。

 

富士山の展望では今回の山行で思わぬ見付けものをしました。

 

FujifromTurune1

 

国(酷?)道139号線の松姫峠から東へ山道を30分ほどで登れる鶴寝山の頂上です。

 

ハードな藪ルートとして知る人ぞ知る "楢ノ木尾根" の最低鞍部と富士山が重なって見えるため、なかなか格好がよいのです。

 

旧500円札の富士山で有名な雁ガ腹摺山を始めとして、この辺りに幾つかある富士展望峰の中でも、トップクラスだと思いました。
藪以外何にもない、マイナーなピークだろうと思っていたのとは大違いで、隠れた展望の秀峰でした。

 

中腹の林床では、木の葉が日を遮る程になる前の僅かな時間を生き急ぐ山野草の群落が、そこかしこで花盛りになっていました。
下はそのひとつです。
もう少し調べてみないと分からないのですが、多分、イワウチワではないでしょうか?
  (どなたかお分かりなる方があったら教えてください)

Iwakagami_Kana

色とりどりの花が咲いている山里から芽萌きの中腹を経て裸の枝と残雪の頂稜へ。
そして、また芽萌きの中腹を下って花の里へ。

 

この時期にしかできない季節の旅の詳細は、"本家ホームページ" に掲出してあります。
興味があったらどうぞご覧下さい。

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